冬にあたたかい童話を 『手袋を買いに』

 

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発行して参ります。

 

 

今年の寒い冬も、そろそろ終わりが来て欲しいところです。
そんな冬の中、あたたかさを感じるこの作品を、今回はチョイスしました。

 

 

『手袋を買いに』 新美南吉 作

 

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ある雪の日、子狐の冷えた手を握りながら、
母さん狐は手袋を買ってやろうと思いつく。
母さん狐は、子狐の片手だけを人間の手に変えてやった。

 

「人間は、ほんとうに怖いものなんだ。
 だから町の帽子屋へ行ったら戸を少しだけ開け、
 人間の方の手を差し入れて、
 『これに合う手袋をください』と言うんだよ。」

 

 

ところが子狐は、間違えて狐の方の手を出して、
「手袋をください」と言ってしまう。

 

帽子屋は、これは狐だと気づくが、
本物のお金をくれるかを確かめてから、
ちゃんと手袋を渡してやった。

 

 

子狐は、家から聞こえる母の子守歌などを聴き、
「人間っていい人たちではないか」と思う。

 

無事帰ってきた子狐は、母さん狐に、
間違った手を出したけれど、帽子屋が手袋をくれたことを話した。

 

 

それを聞いた母さん狐が、「ほんとうに人間はいいものかしら。」
と、2度つぶやいて物語は終わる…。

 

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なかなか考えさせられるところの多い作品です。

 

 

作者の新美南吉さんは、教科書にものっている、
「ごんぎつね」などで有名な童話作家です。

 

以前メルマガで取り上げた、あの宮沢賢治さんと
並んで紹介されることもしばしばです。

 

現在の東京外語大を卒業し、苦労して、
29歳という若さで亡くなりましたが、
死後、作品が評価されるようになったようです。

 

 

「読んでいて面白い」、そんな物語性の豊かさが、
彼の作品の特徴だそうです。

 

代表的な童話の傑作選は長さも短いものが多く、
気軽に読めて、しかし、しっかり考えさせられる、
そんな点でもおすすめできます。

 

 

大人が読んでも面白い作家だと思いますし、
子供には、素直な人間性を育むのにも、様々に疑問をもってもらうのにも、
両方に適しているように思います。

 

よろしければ、ぜひ、親子でお楽しみ下さい…。

 

 

次回は…

 

次回は、今回とは違った趣向の絵本、
昨今流行りの「地獄」を紹介しようかと思っていますが、
内容は、まだ未定です。

 

来月はじめ頃の配信を予定しています。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

今回の本
ごんぎつね 新美南吉傑作選 (新装版) (講談社青い鳥文庫)

 

 


 


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